2021-03-02
Diary先月の活動報告です。
Shiika
doc/guide, doc/specを追加した。一見同じものに見えるが、前者はユーザ向け、後者は仕様書なので微妙に内容が違う。例えば「メソッド名は慣習的にunder_scoredにする」という話は前者には書くが、後者には書かない。一方、普段使わないようなコーナーケースの話は後者にだけ書く。という感じ。
あとメソッドからのreturnを実装した。その勢いでブロックからのreturnも実装しようとしたのだが、思ったよりはるかに難しいことがわかり一旦ペンディングにすることにした。
BiwaScheme
2021-02-05
Diary近況です。
Shiika
今月はなんかいろいろやった。大きなのはHashクラスが入ったのと、Array#mapが入ったのと、こないだ書いたctxのリファクタリングかな。
あとは「一年の計は元旦にあり」ということで、Shiikaレベルで書けないものをどうするか検討していた。結果としては、標準ライブラリはRustで書いて、それとは別にffi機能を提供するということに落ち着きそう。Rustでライブラリ(RubyでいうRubyGemsみたいな)を書けるようにしようかなとも思ったのだけど、それだけだと例えばlibSDLを使いたいときにShiika→Rust→Cという二人羽織状態になってしまうので。
BiwaScheme
2020-12-31
Diary2020年の振り返り。
イベント
今年はほとんどのイベントがオンライン化するという未曾有の事態だった。登壇としては10月のlangsmith1件で、これもオンライン。
開発
Shiikaの開発が進み、だいぶ「本物」に近づいてきた。advent of codeとかで実際にShiikaプログラムを書いてみてるけど、体験はとてもよい。まだまだ荒削りだけど、方向性が間違っていないことが確認できたといえよう。
2020-12-03
Diary2020-11-01
Diary
自作プログラミング言語の集いで発表した。スライドはここ。
vtableの方は10月ぎりぎりで実装できた。残念ながら型システムの問題でまだ実際のメソッド(Object#inspectとか)は実装できていないが、11月中にはなんとかなるだろう。
dynamic-windがうまく動かないケースがあるという報告をもらって調べてみたら、確かにスタックがこわれていた。継続まわりのVM命令をいじったときに、「aレジスタを復元する」という処理の位置が間違っていたようだ。winderを実行するとaレジスタは破壊されるので、winderの実行が終わったあとで復元しなければならない。
2020-09-30
Diary9月の活動報告です。
今月は季節の変わり目のせいか、あまり調子が出なかった。進捗としては先月やっていたクロージャの実装を終わらせて、今はvtableの実装をしている。これが動けばObject#inspectが実装できる、つまりpメソッドが作れるということでいろいろと楽しくなりそう。
Shiikaについては10月頭の自作プログラミング言語の集いというイベントで発表させてもらうことになった。スライド作らなきゃなあ。
自作キーボード
2020-09-02
Diary8月の活動報告です。
無名関数を実装した。クロージャ(自由変数のキャプチャ)は作業中。先月の日記を見たら「そんなに難しくなさそう」とか書いているが、実際にはすごく大変だった。設計メモがここにある。
何が大変だったかというとクロージャがネストする場合で、各クロージャはllvmのfunctionに変換されるのだが、2つ以上外側のクロージャの変数をキャプチャする場合、真ん中のクロージャも協力して変数をバケツリレーしてやらないといけないのであった。
普段はわりと「書き始めたらなんとかなるだろ」的な感じで見切り発車してしまうのだけど、今回はわりと真面目に考察してみた。そのかいあって実装自体は順調に行っている。
2020-07-31
Diary近況です。
Genericsを導入した。具体的には ary = [1]; ary.first
で 1
が取れるようになった。極めて地味だが、これをちゃんと実現するにはArray<T>
という型が必要なのだ。
次の作業としては無名関数(クロージャ)の実装を予定している。ちょっと考えた限りではそんなに難しくなさそう。
2020-07-02
Diary6月の活動報告です。
配列リテラルが動くようになった。いや、動くっていうと語弊があるな…、実はまだObjectのインスタンスしか要素に取れないのだ。今月はIntやStringなど任意のオブジェクトを入れられるようにする。その下準備として、Int/Floatを即値からllvm structに変更した。そうするとInt/Floatもポインタと同じ64bitサイズ(※64bit環境を想定)になるから、配列の要素は全部一個64bitとして扱えばよくて楽なのだ。
ちなみにサイズを64bitに揃える方法としては、llvm structにする以外に「ポインタへの埋め込み」という方法もある。GC_mallocで確保したメモリのアドレスの下2桁が00であると仮定してよいならば、最後を〜01、〜10、〜11のいずれかにすればポインタと衝突しないので、残りの62bitの部分に好きなデータを入れられるのである。
せっかくなので、Boolについてはこの方式を実装してみた。010をfalse、110をtrueとして、メモリ上ではこの値をBoolとして扱う。ただしLLVMの分岐命令などはi1を引数に取るから、適宜i64からi1に変換(box/unbox)してやる。埋め込みの実装は初めてだったけど、テストが通ってるのでちゃんと動いてるっぽい。