RubyKaigi 2025 松山に参加しました
2025-04-26
Event今年も会社の支援のもとRubyKaigi 2025に参加してきました。
今年はTRICK 2025の審査員ということでスピーカーTシャツでした。今回は過去一の投稿数で、選ばれた方もそうでなかった方も、ご応募ほんとうにありがとうございました。
最後にちょろっと言いましたけど実はもう一個応募した作品があったんですよね。けっこう評判よかったんですけど、よく見たらサイズ規定をオーバーしてたという…。次こそは余裕をもって作業にとりかかるぞ(って毎回言ってる気がする)。
セッション
スライドは https://scrapbox.io/ruby-jp/RubyKaigi_2025 にまとまっています。
- Make Parsers Compatible Using Automata Learning - RubyKaigi 2025
- 系の外側から中身のオートマトンを推測する話。そんな技術があるんだ。
- 最初にSummaryがある構成、すごく良いと思った。 - 図にするとprismとlramaで全然違うのがわかって面白い。(でも同値である可能性も一応ある…のかな?)
- The Evolution of the CRuby Build System - RubyKaigi 2025
- CRubyのビルドシステム(
./configure
とか)について。現状はだいぶ複雑だと思うんで、まとめてあるだけで偉業というやつ。 - Shakeの話は出なかったけど、Haskell製のビルドシステムらしい。へえ。どのへんに影響を受けてるのかな?次回の発表も楽しみ。
- CRubyのビルドシステム(
- Continuation is to be continued - RubyKaigi 2025
- 聞けなかったやつ。callccは利用率から考えると正直いつ消されてもおかしくないと思ってるんだけど(例えば動かなくなったタイミングで)、shift/resetとして蘇ったら熱い。
- Goodbye fat gem 2025 - RubyKaigi 2025
- gem作者が各プラットフォーム向けのバイナリをビルドしたりセキュリティパッチを反映するのは大変だが、このままでいいのか?という問題提起。うーんたしかに。
- nokogiriはインストールが簡単でいいんですけど、例えばlibxml2に脆弱性が見つかるたびにnokogiri作者が頑張らないといけないんですよね。
- これを、gemspecで「aptがあったらapt install libxml2する」みたいに指定することで代替できないかという案。個人的にはそれでもまあいい…かな?(デフォルトで)
y/n
は出してほしいかも。
- Ruby's Line Breaks - RubyKaigi 2025
- 改行の扱いについて整理すると、endless rangeみたいな新し目の文法について一貫性がなくなっていたという話。いかにもありそう。技術を以てカオスを切り開いていくのはかっこいいですね。
- State of Namespace - RubyKaigi 2025
- autoload対応、たいへんそう。
Ruby::VERSION
、つまりtoplevelのRuby
が入るんだ。個人的にはとても好き。
- ZJIT: Building a Next Generation Ruby JIT - RubyKaigi 2025
- YJITの「次」について。野心的なことはせず、安定をとるぜ、と宣言されてたのが印象的だった(安定側にもチャレンジは存在する、とのことだったが)
- How to make the Groovebox - RubyKaigi 2025
- 音声合成の話。こういうの楽しいよね。
- Speeding up Class#new - RubyKaigi 2025
- アーロンさんの発表、図のアニメーションをうまく使ってるとこが好き。
- From C extension to pure C: Migrating RBS - RubyKaigi 2025
- Sorbetチームの発表。RBS記法をサポートする部分を、通常のC拡張からpure C + bindingという構成に変えた話。
- 通常のC拡張はエラーが起きたらRubyの例外を投げればいいだけなんで楽なんだけど、そのかわりGVLの制約を受けると。
- DiscordでRustではだめなのか?という話が出てたけど、既存のCコードがあったからCにしたということかなあ。
- LT PicoRabbit: a Tiny Presentation Device Powered by Ruby - Speaker Deck
- Raspberry Pi Pico 2からDVI経由で映像出力してプレゼンツールを動かす。すごい。
- ソース。スライド内容のあとにゲームの実装が書いてあるのおもろい。
- API for docs - RubyKaigi 2025
- RBSとRDocは似てるけど違うもので…という話から、気づいたら何かのinternalを説明する時間になっていて、よくわからなかった…(すいません)最初にagenda(何をどの順で説明するつもりか)のスライドがあるといいかもですね
- SteepはLSPを喋ることができて、その中身はこうなっていますよ、という話だったのかな
- The Ruby One-Binary Tool, Enhanced with Kompo - RubyKaigi 2025
- Rubyスクリプトをone binary化する話。ソースだけでなくデータも含めて本当にone binaryにしたいそうで、力作だった
- Road to Go Gem #rubykaigi - Speaker Deck
- golangでrubygemを作る話。言語をまたぐといろんなものを変換しないといけなくて大変なんですよね。
- Modular Garbage Collectors in Ruby - RubyKaigi 2025
- RubyのGCを差し替え可能にする話。というかもうそうなってて、インターフェイスと実装が分離されているらしい。えらい。
- GCアルゴリズムによって特性が異なるので、アプリに合わせて選択できるようにしたいとのこと。なるほど。
- Matz Keynote
- Ruby 4.0!!
イベント
Official Party、DD4Dが飲めてびっくりした。最高かよ。(8種コンプリートしたかったけどさすがに無理だった)
IT各社の採用熱が高まるまでは、RubyKaigiって別に「イベントが豪華なもの」ではなかったんで、ありがたいけどなんだか不思議な気分もあり。
松山
都会だった。といっても圧を感じない、ほどよい都会という感じで、いいところですね。
路面電車があるので、酔ったサラリーマンをたくさん見かけたのが新鮮だった。車社会じゃないんだなあ。
なんかこう文化レベルが高いんだよな。カレー屋さんで見たローカル誌とかからもそれを感じました。