趣味としてコーヒーを始める11の方法
Food究極のところ豆を砕いてお湯をかければ飲めるのがコーヒーだが、その具体的な手法は多岐にわたり奥が深い。本稿ではコーヒー沼に入門したくなった人のために、コーヒーにまつわる各ステップの概要を紹介する。
1. 生産
コーヒーを始める究極の方法はコーヒー豆を育てるところから始めることである。コーヒーは基本、コーヒーベルトと呼ばれる赤道に近い地域でしか育たないが、日本でも場所によっては可能であるようだ。
とはいえさすがに気が遠くなるので、本稿ではコーヒー豆は誰かが育てたものを使うものとする。
2. 焙煎
コーヒー豆というと黒いイメージがあるが、あれは火を入れたあとの姿で、生の豆はどちらかというと白っぽい。生豆に火を入れる工程のことを焙煎という。
焙煎は少量であれば自宅で手作業で行うことも可能だが、それは趣味が高じた際の楽しみに取っておいて、本稿では焙煎されたものを扱うことにする。
焙煎する時間で味わいが変わる。時間が短いものを浅煎りといい、豆は薄い茶色になる。酸味を楽しむコーヒー。長時間焙煎したものは深煎りといい、豆は濃い茶色になる。苦味を楽しむコーヒーで、アイスコーヒーにも向いている。
3. 粉砕
焙煎した豆に直接お湯をかけてもコーヒーになるわけではなく、豆を砕いて粉状にして表面積を増やす必要がある。
豆を粉にするには「コーヒーミル」という機材を使う。電動のものと手回し式のものがある。手回し式の方が安いが、毎日やると手が疲れるかもしれない。電動で小さいものは例えばこれとか。
また、お店で豆を買うときに粉にしてもらうこともできる。粉砕する際、どれくらい細かくするかというパラメータがあり、粗挽き・中細引き・細引き・極細挽きなどという。抽出機材によって適切な粒度が決まる。
豆で買うか粉で買うか (家で挽くか店で挽いてもらうか)
それぞれ一長一短がある。
- 豆で買う場合のメリット
- 香りが長持ちする
- 粒度が違う複数の機材に対応できる(気分によってペーパーとプレスを使い分けるとか)
- 豆で買う場合のデメリット
- コーヒーミルが必要
- 電動ミルは便利だが大きい音が出る(個体を粉砕するので仕方がない。時間は一回10秒前後)
- 粉で買う場合のメリット
- すぐに淹れられる
- コーヒーミルが要らない
- 粉で買う場合のデメリット
- 香りが早く飛ぶ(表面積が大きいため)
4. 保存
豆なり粉なりをコーヒーショップで買ったとして、大抵は100gまたは200g単位で売られているため、一回で飲みきれる量ではない。
一週間で飲み切るならば密封して常温で保存すればよいだろう。一ヶ月程度かけるならば、冷蔵または冷凍庫で保存するのがよい。
5. 抽出
コーヒーの粉からコーヒーを抽出するにはいくつかの方法がある。
- コーヒーメーカー
- 電動で粉にお湯を注いでコーヒーを作る機械。分量が多い場合に楽。
- ハンドドリップ
- ドリッパーにペーパーを敷いて粉とお湯を入れる方式。いわゆるコーヒーのイメージ。
- 少量淹れるのが楽。
- お湯の注ぎ方で味わいが変わるため、奥が深い。
- ペーパーではなく布を使うタイプもある(ネルドリップ)。
- コーヒープレス
- 筒状の機材に粉とお湯を入れて数分待ったあと、プレスして粉を濾す方式。
- ドリップのように繊細な作業がないため、安定して同じ味にしやすい。
- 紙で濾す場合よりコーヒーの油分が残りやすいため、豆全体の味がする(らしい)
- マキネッタ
- 機材を直火にかけ、熱い水蒸気で抽出する方式。ビアレッティ社のモカエキスプレスが有名。
- エスプレッソのように濃厚で少量のコーヒーができる。
- 牛乳を注いでも薄まらないため、カフェラテにも向いている。
- 水出し
- 粉を水に浸して数時間待ち、粉を濾すことでアイスコーヒーができる。
おすすめの本
コーヒーに関するいろいろなことについて解説された本。